ンドゥイヤとは?使い方や食べ方を6種類の応用レシピでご紹介!

肉料理
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イタリアの調味料『ンドゥイヤ』をご紹介します。
あまり聞きなれないと思いますが、それもそのはず、こんなマニアックな調味料を売っているお店はそうそうないはずです。
ただ、イタリアンのシェフである私は好んで愛用しており、実際お店でもこのンドゥイヤを使った料理は通年人気があります。

ここではンドゥイヤと相性が良い食材である『豚肉』『仔羊』『ホタルイカ』を使ったイタリア料理のレシピを通して使い方、食べ方をご紹介していきます。

ンドゥイヤとは?

南イタリアのつま先部分、カラブリア州の特産品。
スピリンガという小さな村が産地とされていて、挽いた豚肉にたっぷりの唐辛子を練り込んでスモークしてから乾燥→熟成させたソフトサラミです。

辛味噌のようなコク、濃厚な旨みと辛さを併せ持った調味料として使われたり、そのままパンに塗って食べたり、ピザのトッピングにしたり。
(この地域特有の手打ちパスタ”フィレイヤ”を使ったパスタのソースにしたりします)

そして、このンドゥイヤの使い方にはちょっとしたコツがあります。

ンドゥイヤの使い方①(生のまま冷菜にする場合)

特徴として、生のままだとキレのいい辛味に、少し酸が入ったような味わい。
パンに塗ったり、冷前菜にする場合は生のまま、この酸を活かした方がワインとの相性が良くなります。
現地の食材には現地のワイン。イタリアは地産地消が基本ですから、カラブリア州の白やロゼワインがオススメ。

ンドゥイヤの使い方②(温製のソースにする場合)

次にンドゥイヤを火にかけると、どのような味の特徴があるか、ですが。
まず、生のままの時の酸はなくなり、唐辛子の突き刺すようなキレのある辛味ではなく、旨味たっぷりの濃厚でコクのある辛味が立ってきます。

パスタなどのソースにする際には、先に少量のOILでンドゥイヤをソテーすること。そうすることで香りと辛味が立ち、より一層美味しくなります。
先にンドゥイヤをソテーして香りを立たせてから、潰したトマト缶を入れて煮詰めるだけで、唐辛子を入れただけのアラビアータとは違い、濃厚で旨みたっぷりのソースが出来ます。

①ンドゥイヤを使った基本のトマトソースレシピ

基本のシンプルなレシピでアラビアータソースを作っていきます。

・ンドゥイヤ(ペースト) 40g
・ニンニク 1片
・トマト缶(カンポグランデ)700g
・塩 5g

作り方

1.オリーブオイルを引いた鍋でみじん切りにしたニンニクを香り出しします。
2.ニンニクがうっすらキツネ色になったら、ンドゥイヤを入れて中〜弱火で香りが立ってくるまでじっくりソテーするように火を入れます。

3.ムーラン(ザルなどで代用可)で裏漉ししたホールトマトを加えて一煮立ちさせたら完成です。

※煮込む時間が長いほど酸味が飛んで甘み、旨みが強くなりますが、トマトをベースにしたソースは酸味の残し方がとても重要なポイントになります。
カンポグランデは味が濃くしっかりしてるので一煮立ちさせる程度が一番バランスのいい味わいになります。

【カンポグランデ】
ホールトマトといえばこれ! というぐらい多くの料理人が選ぶホールトマトです。
カンポグランデのホールトマトに使われる原料はローマ種という品種で、サン・マルツァーノ種の改良品種。
イタリア半島のかかとの部分にあたるプーリア州ブリンディジ周辺で生産されており、8月下旬に畑から収穫されるトマトの中でも厳選された素材のみを使います。
独自の製法で水分をとばしてソースの濃度を極限まで高くして作られており、糖度が上がり酸味が和らげられて“スーパーソース”と呼ぶにふさわしいコクが生まれます。

②自家製サルシッチャとズッキーニのアラビアータのレシピ

上記のンドゥイヤのアラビアータソースを使ったパスタをご紹介していきます。

・サルシッチャ(ベーコンなどでもOK) 100g
・ズッキーニ 1/4本
・ンドゥイヤのアラビアータソース 100g
・白ワイン 30g
・パスタ 100g
(ここではマンチーニ社のキタッラを使用)

自家製サルシッチャの作り方はこちらの記事でご紹介しています。

作り方

1.オイルを引いたフライパンにサルシッチャをバラして入れ、フライパンにこびり付いた部分が香ばしく色づくまでソテーします。
ポイントは大きな塊もあれば細かく潰した部分もあるように不均一にすることです。こうすることでイタリアらしい美味しさができます。

2.香ばしくソテーできたら白ワインを加えてこびり付いた旨みをこそげ落とします。

3.アラビアータソースと少し厚めにスライスしたズッキーニをを加えて一煮立ちさせたら、茹で上げたパスタを和えて完成です。
(マンチーニ社のキタッラの場合、湯で時間11分半が丁度良いアルデンテ加減になります)

4.お好みでグラナパダーノパウダーと黒胡椒をかけて盛り付けます。

③豚肩ロースのソテー ンドゥイヤと新玉葱のサルサのレシピ

・豚肩ロース(1cm厚ぐらい)100g
・塩胡椒 適量
・ンドゥイヤ 8g
・トマトソース(トマトの水煮缶を裏漉ししたもの)12g
・玉葱のサルサ 25g
・ミント 適量
・クリスタルソルト 適量
・EXVオリーブオイル 適量

玉葱のサルサはこちらのレシピを参考にして下さい。
※ここで紹介しているレシピでは新玉葱で作っています。

作り方

1.常温に戻した豚肩ロースに塩胡椒をうち、強火でソテーします。
(1cm厚ほどであればフライパン1つでサッと火入れできます)

2.表面が香ばしく焼けたら裏返して焼きます。

焼き時間は7~8分ほどで十分火が入り、指で抑えると適度な弾力で押し返してくるような感触になるのでこまめに触ってその変化を確かめてみて下さい。←この習慣をつけると間違いなく肉焼きのレベルが上がります。

焼き上がったら網の上で少し休ませるとうっすら肉汁が浮き上がってくる状態。これでOK。

3.肉を焼いたフライパンにンドゥイヤとトマトソースを合わせて温めます。こうすることで辛みと香りが立ち、より美味しくなります。
(写真は玉葱のサルサと温めたンドゥイヤ)

4.休ませて肉汁を落ち着かせた豚肩ロースをお皿に盛り、マルドンのシーソルトをパラパラ。
ンドゥイヤ、玉葱のサルサ、ミントをのせ、EXVオリーブオイルをかけて完成です。
(左の写真がマルドン シーソルト。細かくて見えづらいですがピラミッド型に薄く結晶した形をしています)

④豚バラと牛蒡、ンドゥイヤの煮込みのレシピ

・豚肩バラ肉 1kg
・塩、黒胡椒 適量
・強力粉 適量
・ソフリット 200g
・新牛蒡 1本
・ンドゥイヤ 60g
・裏漉ししたトマト缶 500g
・鷹の爪 5本

ソフリットの作り方はこちらをご覧ください。

作り方

1.豚バラ肉を大きめの塊にカットし、塩、黒胡椒をうちます。
次に強力粉をまぶして表面が香ばしい焼き色がつくようにソテーします。
ここで焼き色をつけることで、香ばしく焼かれた旨みがソースに溶け込んで一段と美味しく仕上がります。

2.オリーブオイルを引いた鍋にンドゥイヤを加えて軽くソテーするように香り出しします。
豚バラ肉、スライスした牛蒡、ソフリット、裏漉ししたトマト缶、鷹の爪を投入。

水分が足りなそうなら豚肉が浸かるぐらいまで水を加えて煮込んでいきます。

3. 2時間ほど煮込んで豚肉に竹串がスッと入るぐらい柔らかくなれば完成です。

豚肉を少し崩すようにしてパスタソースに使っても、そのまま盛り付けてもOK。

⑤ホタルイカとンドゥイヤのアラビアータソースのレシピ

・ホタルイカ 2pc
・ンドゥイヤ 30g
・カゴメ ソフリット 60g
・ニンニク 1片
・白ワイン 80g
・トマト缶(裏漉したもの)150g

作り方

1.鍋にみじん切りにしたニンニクとンドゥイヤを入れて香り出ししたらホタルイカを加えて軽くソテーします。

2.白ワインを加えて半分量ぐらいまで煮詰めたら、ソフリットと裏漉ししたトマト缶を加えて30分ほど煮込みます。

3.煮込んだ状態。ホタルイカのミソがソースに溶け出して茶色がかった色みになります。
ソースはこれで完成なので、お好みの野菜を加えたりしてパスタの絡めて仕上げてください。

⑥仔羊のグリル ンドゥイヤとリコッタチーズのパテ添えのレシピ

写真はカラブリア州でよく食べられる仔羊を使って、ペーストにしたンドゥイヤをソース代わりとして使う、『仔羊と季節野菜グリル、ンドゥイヤとリコッタチーズのパテ添え』です。
ここでは焼き方などは割愛して、ンドゥイヤのペースト。そして相性の良いリコッタチーズとミントのパテの作り方をご紹介します。

作り方

【ンドゥイヤのペースト】
・腸詰めされているンドゥイヤを使う分切り出し、EXVオリーブオイルで練り伸ばすようにしてペーストにする。
【リコッタチーズとミントのパテ】
・リコッタチーズに刻んだミントを混ぜる。

紹介と呼べるレベルではないぐらい簡単で単純ですが、素材自体が完成されている場合、食べやすいよう濃度を調整したり、相性の良い風味を少し追加するぐらいが良いです。
辛味の効いたンドゥイヤとミントは相性が良く、辛味を中和するようにリコッタチーズを合わせるのがカラブリア流。


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