今日はナポリの代表的な郷土料理『ナポリ風ジェノベーゼ』をご紹介します。
豚肉をたっぷりの玉葱で煮込んで作る味はほっこり地味深いイタリアの味わいです。
この料理は玉葱に含まれるタンパク質分解酵素の働きでお肉を柔らかくできるので、一般的な煮込み料理のように細かく火加減や温度を気にすることもなくとっても簡単なところも魅力的です!
ナポリ風ジェノベーゼとは?
ジェノヴァ出身の料理人がナポリに移り住み、トラットリアを開いてこのラグーを作っていたことに由来。ナポリではこのラグーを”ジェノヴァ風ラグー”と呼び、豚肉の塊をトマトで煮込んだものを”ナポリ風ラグー”と呼びます。
ややこしいですが、日本人にとっての”ナポリ風ラグー”は地元ナポリでは”ジェノヴァ風”と呼ばれているので現地でオーダーする際は要注意。
塊肉を煮込むところはナポリ風と同じですが、トマトを使わず大量のタマネギを使い、その水分で煮込んで作ります。
現地では牛肉で作るレシピもありますが、タマネギとパンチェッタの相性から豚肉がおすすめです。
イタリア料理らしさが詰まった理にかなった料理
玉葱には、お肉を柔らかくする作用があり、低温で加熱すると水分が溢れてくるという特徴があります。
非常にシンプルだが、食材で食材を調理する理に叶った調理法。
玉葱の自然な甘さ・旨味が際立つ滋味深い煮込み料理です。
身の回りのものを使い、素材を多くかけ合わせず、素材感を生かしたまま。飽きずに美味しく食べれるよう工夫するイタリア料理らしさがこの料理にはあります。
ナポリ風ジェノベーゼのレシピ
・豚肩ロース1本 ・塩胡椒 適量 ・小麦粉 適量 ・白ワイン 適量 ・玉葱 大きめ4玉(1/4cutし繊維を断つように0.5mm厚にcut) ・セミドライトマト 200g
ナポリ風ジェノベーゼの作り方
1.豚肩ロースの余分な脂を落とし、3cm厚にカット。塩胡椒をうち、小麦粉をまぶしてからキツネ色にソテーしたら、白ワインをひたひたまで注いで沸かしてから、玉葱・セミドライトマトを加えます。
2.豚肩ロースが玉葱で蓋をされている状態で2時間程、柔らかくなるまで煮込んでいきます。
3.お肉は柔らかくなったら一旦取り出しておきます。
煮汁を煮詰めて濃度をつけてソースとします。
4.取り出しておいたお肉と合わせて温めて完成です。
お好みの野菜(写真ではカリフラワーと菜の花を使用)と一緒に盛り付けるとこんな感じに仕上がります。
調理のコツ、ポイント
・玉葱のタンパク質分解酵素の作用で思いのほか早く柔らかくなるので、煮込み過ぎに注意です。
アレンジレシピ
煮込んだ豚肩ロースを手でほぐし、イタリアンパセリとパルミジャーノを加えて仕上げるパスタも現地で楽しまれています。使うパスタはマカロニのようなヅィーテというパスタをがナポリ流。
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